グリッサード 

初心者の方でも比較的早い段階で習うジャンプ、グリッサード。その動きを正しく理解していきましょう。

シンメトリーな形を持つ美しい平行移動

グリッサードとはフランス語で「滑る」という意味です。グリッサードは横に滑るように移動する動作です。開始と終了が同じ形になり、横にテレポーテーションしていると思ってもよいでしょう。5番の足の前後もも開始時と終了時で同じです。

対称性のあるジャンプ

図*は右足後ろ5番からのグリッサードです。矢印の方向(飛んでいる本人にとっては右側)へ移動します。

①プリエでジャンプの準備

②左足を軸にして右足をアラセゴンに

③綺麗に2番ポジション(少し小さめ)でジャンプしたような形です。体の中心に重心があります。

④右足で着地。②の対称な状態です。軸足は右足になっており、左足がアラセゴンにある状態。

⑤次のジャンプやパに続く移動のジャンプなので、左足は前の5番に入ります。

中上級に向けて

ゆっくりやると②と④がしっかり見える形になりますが、①⇒③⇒⑤を見せる動作と指導する教室もあるでしょう。②と④で片足ずつジャンプと着地をしていますが、その動作を同時に行うというものです。この場合、特に③から⑤の過程では同時に足を閉じて着地のイメージになります。

①と⑤でのプリエはしっかりと意識して膝を横に開き、両足の隙間がひし形になるようにしましょう。高く飛ぶためにも、静かなそして足に負担の無い着地のためにもプリエは重要です。

グリッサードの役割

レッスンではグリッサードだけを繰り返し横に移動する練習が多いかと思います。ですが、バレエの踊りの中でのグリッサードの役割は次に続く大きなジャンプへの準備的なパであることが多いです。

準備的にグリッサードが入る時は、グリッサードは気持ち抑えめに飛ぶくらいで構いません。次の大きなジャンプが主役なので、それを目立たせる必要があります。グリッサードで高く飛ぶと、次の大きなジャンプとの強弱が分からず、踊りのアクセントに欠けます。

5番の足の前後

どっちの足が前?グリッサード編」を参考にして下さい。グリッサードは移動するジャンプであり、歩行に例えられます。軽やかな歩行がグリッサードで、その次にハイテンションな歩行が大きなジャンプ(例えばグランジュッテ)と思って下さい。いずれも歩行の動きと同じです。なので、足の前後の入れ替えはおきません。グリッサードは大きなジャンプを助ける助走になります。

また、理屈から考えても足の入れ替えが起きないことが分かります。右への移動において、グリッサードから大きなジャンプに移動するとき、その大きなジャンプの一歩目は右足です。左足は踏切り足、地面を蹴る足になります。最初に宙に蹴り上げる右足は後ろ5番から前方向に動かなければいけません。

直前のグリッサードで右足が入れ替わり右前になって終了していると、次の大きなジャンプに繋がりません。準備のパの役割として、「横に移動」し、移動前の状態を再現して欲しいのです。つまり、最初が右足後ろ5番なら、終わりも右足後ろ5番で終わる、という形が必要です。


初心者の方にはグリッサードだけを取り合げ、一つのジャンプとして練習が繰り返されます。踊りの中では準備・助走的役割として多くの場面に出てくるジャンプです。グリッサードと言われれば、迷わず足の運びを動かせるように(右方向は右足がずっと後ろ、左方向は左足がずっと後ろ)体が無条件に動くようになっておきたいジャンプです。

*original figure from “Russian Ballet”,ISBN 5-85370-099-1,1997

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