ポールドブラ 腕の位置

Last updated on 2017年10月29日

ポールドブラとは何でしょう?フランス語では「porte de bras」と書きます。「porte」は運ぶという意味です。ホテルのポーターと同じです。そして、想像がつくように「bras」が腕です。「de」は冠詞、英語の「the」と同じです。「de」自体に意味はありません。ということで、意味は「腕の運び」です。納得ですね。

指先からどこまでが腕?

腕の位置の話の前に、腕の始まりはどこか、腕の付け根の意識について説明します。日常生活では、きっと腕の動きを考えると肩から先が腕です。バレエでは、腕は肩甲骨も含まれ、始まりは、肩甲骨内側、ほとんど背骨に近いところと意識を置いてよいでしょう。そこから手先までが繋がっています。

なかなか、そんな肩甲骨の背骨よりのところを意識したことが無いと、肩甲骨から腕の先までの繋がりは意識しづらいでしょう。もう、これは意識の問題です。毎回、腕は背骨から始ってるくらいに思って、出来るだけ長く使う意識をもって下さい。

まずはお勧め動画で形を確認しましょう。

こちらの動画では腕のポジションの番号を紹介していますが、足のポジションと違って腕のポジションは趣味レベルであれば使うことはありません。両腕が対象な位置にある腕のポジションに注目して動画を観てみて下さい。

腕のポジション

4つの位置があります。私は3つ+1つと種類訳して覚えた記憶があります。

3つは体の前面に関して、高さの違いによる位置付けです。もう一つは体の横に腕を位置させるアラセゴンです。では、さっそくそれぞれを見ていきましょう。

体の前面に関連する3つの腕のポジション

バレエ用語を解説するたびに思いますが、フランス語を知っていると分かりやすいですね。音楽でイタリア語が有利なのと同じことですね。

いずれの位置でも腕の形は同じです。両手で一枚の楕円の淵を抱えるようにOの字のような形になっています。両手の指先はくっ付きませんが、互いに中指の先が向き合うような状態です。

アンバ

en bas:基本姿勢で立つときに腕を下げた状態です。この時、肩が下がっていないか、肘が伸びているかも確認して、低い位置に指先がくると良いです。いつも、バレエのあらゆる動きを始める時の基本の姿勢です。バーレッスンのパの終わりもアンバの姿勢に戻ります。(参照:プレパレーション

覚えるためのヒントになればとフランス語を解説すると、en(「アン」と発音)が英語でいうat/onのような前置詞です。「~に・~で」という訳になります。フランスでという場合にはen Franceです。basは「バ」と発音します。フランス語には、最後の子音は発音しないというルールがあります。なので「バス」ではなく「バ」です。basは英語でいうlowです。「低い、下の」という意味です。

アンナバン(腕の1番のポジション)

en avant:体の前面、胸の前位に腕の高さを持ってくるポジションです。肘が落ちないようにして下さい。抱えている楕円平面の淵に腕が沿っているように、です。

意味の解説です。avant(「アバン」あるいは「アボン」の発音)は前にという意味です。アバンギャルドのアバンですよ。「前衛的」の「前」の部分です。なお、enのnと母音のaがくっつくため、2語が一緒になって「アンナバン」に聞こえます。

アンオ(腕の5番のポジション)

en haut:体の上に腕を持ってくるポジションです。これも難しいポジションです。上に腕を上げるならば、どこまでも上がります。ですが、正しい位置は肩が抜けていない一番上の場所です。

アンバからアンナバンを通ってアンオに腕を持っていくとき、ちょうど腕が顔の横に来た辺りで、一度、動きに限界を感じませんか?そこがアンオの正しい位置です。この場所にある時、背中の筋肉も使えます。

その状態から、肩を回すと、横から見た際に腕が耳の横、あるいは頭の後ろにまで持っていくことも可能だと思います。ただ、これは正しいアンオではありません。この場所にある時、背中の筋肉は腕の動きと関係無くなっています。

意味の解説です。hautはオと発音します。意味は「上に」です。英語でいうhighです。オートクチュールのオーでもあります。

体の横に出す腕のポジション

そしてもう一つの大事なポジション。アラセゴンです。

アラセゴン(腕の2番のポジション)

a la seconde:体の横に両腕を開いたポジションです。肘が下がらないように気を付けましょう。

仲間外れのように分類しましたが、腕の運びとしては、先の体の前面の3つのどのポジションからもアラセゴンに腕を開けますね。そしてアラセゴンからいずれの3つのポジションに戻すことも可能です。

アラセゴンをしている時の体を横から見ると、腕のは体のラインよりもやや前に出ています。腕が体の真横に出てるのを基本とする派もあるようです。

私の先生は腕が体の真横なのは「古い」とおっしゃり、私は腕をやや前に出しています。

教室によって、そして先生によって違うかと思います。先生のアラセゴンの腕が横からみてどこにあるか、観察してみましょう。

意味の解説です。フランス語(ラテン語系)では母音に挟まれる子音が濁る音になるので、「c」が「g」の音になり、セゴンドと発音されます。意味は「横に」です。英語のsecondです。この腕の位置だけ、ポジションそのまま「2番」という呼び名しかありません。

最初の注意、背骨に近いところに腕の意識をおく話になりますが、アラセゴンが最もそれを感じ易いと思います。

 

背中を見れるような合わせ鏡があれば、体、左右のいずれか半身を映し、腕の伸ばし具合と肩甲骨周りの動きを観察してみてください。より伸ばそうとしている場合には、肩甲骨の骨はピタっとはまったような状態で、骨のでっぱりは見えません。骨のでっぱりが見えるということは、その分、まだ腕は伸びるはずです。写真の赤色の丸や緑色の丸で囲んだ場所もしっかりと使っています。(もちろん左右ともにです。)

また、肩が上がっている時、肩甲骨も上に浮いています。肩を下げようとすると、肩甲骨も下に下がります。肩甲骨と肩はセットで注意して下さい。

体の中心から手先まで繋がりを感じ、ピンと張った腕はバランスの助けにもなります。正しい位置で腕は安定します。肘が緩んでいれば、その分遊びが発生し、手のポジションは揺らぎます。そうするとバランスも揺らぎます。

体の縦の軸はもちろん重要です。腕は軸に対して、背骨から脇にかけては垂直に交わる方向、体の水平方向働くバランスです。体の縦の軸と、腕の横の軸がしっかりした基礎になっていると、安定したバランスが気づけます。


中上級になり腕の位置は分かっているものの、力んだり肘が落ちたり、悩みは尽きません。腕の動きはここで説明した4つのポジションを両手で一緒に、あるいは片手ずつが違ったポジションを取るというような組み合わせで行われます。

初心者の場合は、複雑な腕の動きはありません。アラセゴンに腕を出し、体の縦の軸と腕の横の軸でバランスを取りやすくして、足の動作を行いやすくすることを優先して下さい。

動画と写真 出典:Royal Opera House – Insight

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