トゥシューズを履いて良いという判断をもらったクラスメート

先日、中級クラスに参加している時、二人のクラスメートがセンターの合間の休憩に先生に呼ばれ、トゥシューズを履いてもよいかの検討がなされました。一人はOK、もう一人はもう少し待ちましょう、との判断でした。さて、二人の間で何が違ったのでしょうか?

この二人は年齢的には20代前半、バレエを始めて数年という経歴です。トゥシューズを履いて良い許可をもらった子には直接にバレエ歴を聞いたところ、3年目に入ったところ、という答えをもらいました。早いですよね!それで「すごいね」と褒めたら、以前にジャズダンスを習っていたとの情報が。ダンス歴があることが有利だったようです。もう一方の彼女も3年目くらい。彼女はがっかりしていたので、あまり話は出来ませんでした。

一緒にレッスンを受けていた二人の違いを比較してみます。

トゥシューズを履いて良いという判断をもらった子
  • 軸がしっかりしている。バーレッスンで軸足に立つということが分かっていて、床から頭までのラインが綺麗。さらに、アラセゴンに出す腕も毎回一定の場所で、体の縦のラインと十字なるような位置に腕が伸びている。
  • パを覚えている。あるいは、覚えられない場合に、分からない箇所を分かっていて、人に聞いている。
  • 先生に注意されて、それを正しく直せる。あるいは、正しくなるように調整するように筋肉を動かせる。

トゥシューズはもう少し先という判断をもらった子

  • 軸がぐらつきがち。アラセゴンの腕の肘が緩んでいる。腕の位置が安定していない。バランスを取るときに「ここだ」というスポットが定まっていないように見える。
  • パを全部は覚えていない。センターでは誰かの動きを追いがち。

先生が二人の何をチェックしていたか?

そして、センターの合間に二人はトゥシューズを履いて良いかのチェックを受けていました。先生が何をチェックしていたか気になりますね。全てを聞き取れたわけでは無いのですが、ポアントに乗り切れるかというのを中心にチェックしていました。

サイズはピッタリではないものの、二人の生徒は教室にあるポアントを履いて立ってみて、とバーを持った状態で催促されました。

トゥシューズに乗るとは

重心移動

立つ際に、重心の移動があります。ルルベでは土踏まずから踵分の十数センチ分重心が上に移動します。ポアントでは足の大きさ分、二十数センチの移動が必要です。プリエからポアントで立つときに、ルルベの2倍以上の体重移動が必要です。これをスムースにコントロールできるか、をチェックされていました。

ポアントに乗り切る

そしてもう一点、怖がらずにポアントに乗り切れるかです。よくトゥシューズの解説の本にもありました、トゥシューズの床と触れる部分(プラットフォーム)を全部使えるか、です。乗り切れていない場合、プラットフォームの底面に近い淵だけを使って立っている人を見かけます。床面と触れるプラットフォームの面が小さいということは、安定さに欠けます。淵が床を捉えているだけである場合、床を横方向にスライドする力も発生し、トゥシューズが滑りやすくなります。トゥシューズ滑る、転ぶという経験につながり、ますますトゥシューズで立つのが怖くなり、上達を阻みます。写真の左の例です。脚から伝わる力、緑色の⇒は、床には垂直方向と水平面方向に伝わります。青色で示した⇒が床にかかる力です。滑る方向に力が働いていますね。

一方、プラットフォームの前面が床と設置する場合、足と床の角度は垂直の関係にあります。
面で床を捉え、全面で足からの力を真上から床に力が伝わるので、横方向にスライドする力は発生せず、滑りません。写真の右の例です。脚から伝わる力、緑色の⇒は、床には垂直方向のみです。青色で示した⇒は垂直方向のみです。滑る方向に力は働いていません。

足裏の強さとしなやかさも関係するのですが、しっかりプラットフォーム全面で床を捉えるところに立てるか、というのが重要です。もちろんバーを持って「しっかり立てる」という場所を捉え、それを理解するということで構いません。プラットフォーム全面で立てる位置に重心を持ってこれることが重要です。

なお、トゥシューズを履いて良いということになった生徒さんも、バーなしではなかなか綺麗に立てません。しばらく(数か月)は綺麗に立つ感覚を身に着ける必要があるでしょう。彼女にレッスン後にトゥシューズはどうかと尋ねると、まだ立つのが不安定で、脚の筋肉を無駄に使って筋肉痛がひどいと言っていました。緊張のために脚をカチカチにしているのでしょう。


ルルベで立っている時に床から脚に伝わる感覚は、トゥシューズでも同じです。床から10センチほど高くなったルルベがトゥシューズで立っている状態ですが、この10センチの差が大きいのですね。

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